警備会社を経営しよう 組織編 給与体系を構築する

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求人で人を集める前に、求職者に提示できる給与体系を構築しましょう。将来的には会社を大きくし、営業所や総務経理、営業部、管理部門を作らなければなりませんが、創業期は目前の仕事をガツガツこなしていかなければなりません。ですから、求人に提示できる給与体系は限られています。前回の売上・収支計画や積算方法を参考にしながら考えていきましょう。

警備業を開業しよう その12 交通誘導警備の損益計算
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給与に関して基本的な項目を抑えましょう。

社会保険

社会保険の加入は必須です。試用3か月で国保。3か月までの雇用契約を締結してから社会保険に加入することをする事業者がいますが、完全に違法なのでやめましょう。法改正で除外要件ではなくなっていますし、1年以上を想定して雇用するつもりなら、なおさら違法です。確かに経営者側から言わせると、社会保険をかけて1か月で辞められては損をすると考えがちです。しかし、経営者なら必要なコストであるとともに、自身の人を見る目、やめるに至った経緯からの反省点に関する勉強代と考えましょう。そもそも、求人票にある「社会保険完備」のコピーは、法令で当たり前のことです。下記リンクで詳しく説明されています。また、加入時の金額については計算サイトがあるので便利です。

【社労士監修】社会保険加入義務とその手続き、加入条件を徹底解説! | 労務SEARCH
一定の条件を満たしている事業所や勤務する従業員は社会保険の加入が義務付けられています。パートやアルバイトも対象となる一方で、適用外の事業所では正社員でも社会保険に加入できない場合があります。平成28年10月に社会保険の適用範囲が拡大し、短時間労働者にも適用される場合があります。

基本給

やはり求職者が重要視するのは基本給です。公共工事積算単価から警備員金額は上昇傾向ですが、ここ数年の発注主や受注者の積算単価に大きな変動はありません。職人・オペレーター不足で、なかなか警備員費用は上がりません。相場も形成され8,000円~10,000円で推移しています。収支計画からベターな基本給を考えましょう。

補足ですが、この給与設定を甘く見ている経営者がいらっしゃいます。とある警備会社設立を考えている方に、給与体系と収支計画の資料をお渡ししたことがあります。ご本に曰はく「その人を見て決める」とおっしゃりました。基本給です。後の賞与や残業代、夜間勤務の基礎となる金額です。積算単価に影響が出ます。場合の給与は有資格者や経験者は優遇したいところですが、ある程度は規定を作って対応しなければなりません。気まぐれで基本給を決められると、同レベルの人が後から入った人場合、同じ基本給にしなければなりません。面接で逃げられまいと、その場の雰囲気で高い基本給を能力を加味せずに提示してしまう。その結果、高い基本給を設定したばかりに収支計画が狂う。または、隊員間で不公平感が蔓延する等の弊害が発生す場合が多いです。なので、基本給設定には慎重になりましょう。

諸手当

基本給の設定に関して注意すべきと申し上げましたが、やはり経験者や有資格者が未経験者と同じでは、正当な評価といえません。ですから、諸手当で差別化を図ります。おおむね、下記の手当項目が存在します。

  • 資格手当
  • 職務手当
  • 車両手当
  • 食事手当
  • 精勤手当
  • 管理手当
  • 遠方手当

等など。基本的には有資格者には資格手当、経験者には職務手当で調整を行うことが多いです。車両手当は自家用車を出してくれる、または相乗りで相勤者をピックアップしてくれる人に手当します。精勤手当は1現場で抜けることなく勤務した対価に使う場合です。週3とか、この曜日はNG等の隊員と区別します。もちろん、休むことや採用時に週3を条件にし場合に、それは労働者の権利です。罰金制を課す無法な事業者もあるようですがやめましょう。しかし、勤務に前向きで同じ現場で勤務を欠けることなく配置できるのは、管理者としては嬉しいことです。管理手当は、複数の隊員であたる現場で、警備計画書に沿った代理人との打ち合わせや配置指示、管理者への日々の報告を行ってくれる方への手当です。あまり人気のないポジションなので手当で評価します。遠方手当は、直行直帰でも時間がかかる場合に支給します。遠方の現場でも近隣の現場でも同じ給与では不公平なので、それを補う手当です。

呼称は違ったり、支給しない事業者もあります。更にほかに沢山の手当がありますが、いずれも基本給をそのままに隊員の評価や働きに対して支給してモチベーションを維持することを目的にしています。いろいろな現場や経歴をもった隊員が、一律の賃金ではモチベーションが下がってしまします。積算時には、諸手当も考えて見積もりましょう。顧客が承認するか否かでも、現場ごとの収支は頭に入れておかないと、人員配置で薄利赤字の現場が発生しては意味がありません。注意点ですが、手当の金額もそうですが、月ごとに支払うもの、日給に上乗せするものを区別しなければなりません。

雇用形態

創業期には、なかなか月給制正社員は導入できない制度でしょう。潤沢な資金と多くの顧客をもってスタートするなら別です。おおむね、日給制または日給月給制がメインになってきます。注意すべき点は面接時に正社員の定義と雇用形態について、詳しく説明することです。求人に正社員と記載しても日給月給制ならば、仕事がなければ賃金は支払われない事を明確に伝えましょう。同じく、根拠もなく「常に仕事はある」というのもNGです。後のトラブルの原因となります。

賞与

創業期に賞与を支払うことを明記することは、非常にリスクがあります。最悪、資金ショートにもなりかねません。しかも、創業1年目は実績が見えません。よって、業績に応じで賞与あり、程度しか決めないほうが良いでしょう。賞与の支払い義務はありません。成長期に導入したり、予想以上に利益が上がった場合に、資金繰りに影響ない範囲で還元の形で支払うのが現実的です。隊員のモチベーションは上がるでしょうが、支払うことができない年には、利益が出ていないと不安感を与えるリスクがあります。慎重に考えましょう。退職金もそうです。安定軌道に乗ってから考えましょう。この点は後述とします。

最後に寮制度ですが遠隔地からの求職者や、家賃を節約したい方にはうれしい制度です。非常に資金・管理・法的トラブル対応にコストがかかります。住宅な資金と管理人員が雇える、または社員寮管理委託業者を使わない限りは、創業期に行うべきではないと考えます。残念なことですが、隣人とのトラブルや、ある日突然いなくなってしまう等のトラブルがあります。経営者として、その処理に割く資金的、時間的リソースの有無を考えて導入するか否かを考えましょう。

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ちなみに、知り合いの経営者様(警備業ではない)が、使わなくなった自宅を寮として、リノベーションせずに共同生活をさせようとしたのを止めたことがありました。

以上の体制を整えてから求人を行いましょう。次は求人の在り方について考えていきましょう。

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