警備会社を経営しよう 組織編 指導教育責任者と事業者の関係

ビジネス

これまでは、お金の話をしてきました。これからは、組織体や経営体制・経営ビジョン等を分析していきましょう。

警備会社の起業は、おおむね指導教育責任者の独立から始まります。これは、警備会社の開業に指導教育責任者の在籍が必須だからです。ほかの業界でも同じですね。経験とそれなりの資格、ノウハウと人脈がある方が独立起業する。自然な流れです。

この警備会社の起業にあたり、違う形式があります。それは事業主オーナーが警備業界未経験で、指導教育責任者を雇入れる形でスタートする場合です。昨今、特に2号警備(交通誘導警備)は需要が高く、公共工事にあっては交通誘導員の手配が出来なくて、工期に支障が出るほどです。建設会社の一部門やグループ会社で警備会社を始める動きが多くなっています。しかし、トラブルも多いように見受けられます。改めて警備員指導教育責任者がどのような資格者か見ておきましょう。

警備業を開業しよう その2 法令と指導教育責任者
さて、前項では警備業とは何ぞやということを説明しました。今回は開業と運営に深く関与する「警備員指導教育責任者」について解説いたします。  警備業法は警備業者に対して、法の定める教育を警備員に行うことを課しています。その教育...

これからは、私が知る範囲でのトラブルについて解説していきます。

  • 事業主のためだけの警備会社で十分な仕事がない

これは、建築会社が事業主になるケースに多いですね。これの問題点は、建築会社の仕事量で警備員の給与が賄えるかです。基本的に交通誘導警備では日給月給の給与体制が多いです。つまり、お仕事がない日は給料が発生しません。求人に「月給20~25万円」なんて書かれていても、仕事がないと20万円どころの話ではありません。よって、自前の建築会社以外の仕事をしなければなりませんが、そんなちょうどいい仕事が受注できず、警備員が辞めていって廃業。自前の警備会社を作りたいと思っている建築会社様は、自社の仕事量と警備員給与のバランスが取れているか、検証を行わなければなりません。

  • 単純に警備会社の開業に必要だから指導教育責任者を雇ってしまう

事業主として警備会社を起業しようとすると、指導教育責任者を雇わなければなりません。ご自身で資格を取るにしても、少なくとも警備員として3年は業務につかないといけません。ですから、出資もしなくてはならないし、業務にもつかないといけない。結構ハードルが高くなりますね。そこで、有資格者を雇うのですが開業申請で認可まで40営業日はかかり、何もできません。有資格者も書類や求人の準備、得意先開拓準備等しかすることはありません。厳密にいうと、警備業認可前の警備会社としての「営業」のなかに求人活動も含まれるからです。事業主からすると完全に何も生み出さないコストです。

そこで、給与を払い続けるのですが、ほかにアルバイトをさせて、給与に替える事業主もいらっしゃいます。どんな雇用形態なのか不思議です。認可前の期間の有資格者の給与を初期投資としてみられるかどうかですね。有資格者の心情的にはどうでしょう。ゆくゆくは実務運用担当としてバリバリ働くつもりが、認可が下りるまでアルバイト。ここで疲れてお辞めになって、開業にも行きつかないケースもありました。

  • 開業後の有資格者のポジションの確認不足

さて、何とか開業したところで営業開始です。ここで警備員指導教育責任者が求人活動を始めます。しかし、どの業界でも人手不足です。思うように警備員がそろわない事を責められてしまう場合があります。有資格者だから警備員集めが上手というわけではありません。ここで苛烈な求人ノルマを背負い、やめていくケースがあります。に関しては雇用形態、賃金形態も含めて戦略を確定しておきましょう。

次に、何とか警備員も集まり収益も順調に伸びてゆく。そうすると、事業主からすると有資格者が無駄な存在に思えてきます。警備員指導教育責任者は受注都度、警備計画書作成や警備員の巡回指導、面接立会と初任教育に定期法定教育計画の作成とその実施、場合によっては顧客との調整折衝、クレーム処理(契約先一覧作成や事案発生時の処理報告書作成は義務)で忙しいのですが、事務員による作成も可能と思えます。しかし、警備員指導教育責任者の責務であり、指導と教育の直接関与と書類の最終チェックは絶対です。

上記の業務に理解を示さずに、ヘルプも含めて現場に出てもらうことを指示されて、現場と警備員指導教育責任者の責務との狭間で悩み、やめてしまった方。有資格者の責務を放棄させるような指示を行う事業主は警備業を行う資格はありません。

事業主ばかりに責があるのではありません。現場に甘んじて、もしくは直行直帰を理由にどこで何をしているか所在不明で、事務員に書類を作らせて印鑑も預けるような有資格者は、即刻解雇しましょう。それは事業主の義務です。ほかに有資格者がいないので、だらだらと雇用し続ける場合もありますが、遅かれ早かれ警察の検査で営業停止です。

以上が事業主と警備員、警備員指導教育責任者との主なトラブルです。内容は端的に相互の仕事への理解不足です。警備業を開業するにあたっては、見切り発車ではなく、十分に雇い入れる有資格者と相互理解を深め、組織体制についてロードマップを作成して、同じ方向を向ける有資格者を雇いましょう。

次回は警備員の求人と雇用形態策定について考えていきましょう。

 

 

 

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