警備業を開業しよう その11 機械警備の損益

今度は常駐警備の発展形である、機械警備の損益構造について説明していきますね。

機械警備は施設に警備員が常駐することなく、設置した防犯センサー類からの信号を基地局で受信して、現場に確認に行くスタイルの警備です。SECOMやアルソックが多くのCMを流して有名ですね。

では、どのような収益の構造を持っているのでしょうか。まずはシステムからです。各契約先に設置したセンサーの情報を受信する基地局が必要です。ここに警備員が24時間365日体制で常駐します。監視端末は専用のもので300~2,000万円ほどします。契約先を1,000件としますと、監視要員は常時2ポストは必要です。これに専用の資格者が必要なのですが、ここでは省きます。出先の待機場所から出動する警備員も24時間体制です。

常駐警備編でも述べたように、1ポスト=4名体制で考えると、基地局と待機場所で3ポスト=12名が必要になります。最低賃金ベースで1名あたり180,000円で社会保険事業主負担で14%と考えた場合、人件費原価は

180,000×1.14×12名=2,462,400円/月

これに監視端末を専用で最大2,000万円としたば場合の減価償却(10年)を考えると

2,000万円÷10年÷12ヶ月≒166,000円

さらに待機場所の家賃、車両費を考えると毎月300万円が計上されます。これは「固定費」です。それでは、監視端末の収容限界を1,000件とした場合の損益分岐点となる、契約件数と契約金額はどうなるのでしょうか?

300万÷1,000件=3,000

この3,000が1,000件の契約先を抱えた場合のボーダーのコスト回収金額になります。ここからさらに、契約先に設置するセンサー類と送受信機のコストを考えていきます。

契約先に設置する機械・センサー類は、多くの会社でレンタルとなっております。理由は機械警備の黎明期に、あまりにも誤報が多くメンテナンスを必要としてしましました。買取だと所有権が契約先になってしまい、おいそれと交換や感度調整ができません。そこで、レンタルにすることにより、自社機械として感度調整や改良基盤への交換等を行いやすくしているのです。

 

それでは、センサー類と送信機セットで20万円とした場合の損益計算です。おおむね、各社5年契約で警備サービスを提供します。なので

20万円÷5年÷12か月≒3,300円

これが月間で回収すべき金額です。これに先ほどの固定費を加算すると、6,600円となります。これに粗利30%として計算すると

6,600円÷0.7=9,428円

粗利益は約2,800円。月額契約料金は約10,000円ですね。規模にもよりますが事業所向けの機械警備の基本的な価格設定になります。最近話題のホームセキュリティでは3~5,000円台が多いですが、事業所よりもセンサーの設置数が少なく、送信機の機能もそれだけ絞ることができるので、低価格が実現しています。

上記の例で考えると、1,000件を月額10,000円で受注した場合、月商1,000万円となります。しかし、ここには大きな問題が含まれています。警備業法の問題です。

警備業法上で待機所から25分以内に着く場所しか契約できません。よって、おおむね車で25分圏内(都市部で半径2~30㎞、郊外で40~50㎞が限界)です。これはいわゆる「商圏」と認識できるでしょう。この範囲で1,000件の受注ができればよいのですが、そうもいきません。しかし、お客様の需要があれば契約したい。それには待機場所を増設しなければなりません。単純に固定費720,000円(1ポスト人件費18万円×4名)が増えます。約300件分の粗利益が消し飛んでしまします。また、契約件数が順調に増加した場合には、1,001件目から新たな監視端末を設置しなければなりません。

ざっくりと説明しましたが、機械警備は監視装置と契約件数とで駆け付ける警備員の配置ポスト数が大きく変動するスタイルです。設備投資と人件費に追い回されるイメージを持たれたかもしれませんが、5年契約を継続した場合、レンタル機器の償却は終わっており、ほとんどが利益となります。機械警備は5年後に何件の契約先を継続させられるかが、大きなポイントになります。成熟した機械警備会社は、多くの5年継続異常の契約先からのストック収入で成り立っています。最初の5年間が苦しいのです。

 

 

 


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