警備業を開業しよう その10 損益計算 常駐警備編

さて、基本的な業界知識を説明いたしましたので、今回からは警備業の利益構造を説明していきましょう。説明するのは「1号警備」の「常駐警備、機械警備」そして、「2号警備」の「交通誘導警備」にしましょう。これらが大きなシェアを持っておるからです。

この項では、まず常駐警備から説明しましょう。

常駐警備の基本は人です。つまりは人件費が原価となります。そして人件費は労基法と連動しています。

知らなければならないのは、契約先がどれくらいの人数の警備員を何時間配置することを望んでいるかです。例えば、小規模施設で1ポスト24時間体制をモデルに考えていきましょう。

1ポスト24時間体制を維持するには4名の人員が必要です。日勤→夜勤→明け→休み→日勤・・・と続いていくわけです。そして、日勤を9時間、夜勤を15時間とすると法定の休憩時間を計算すると、それぞれ日勤で1時間、夜勤で1時間45分。きりよく2時間としましょう。

給与支払い最低賃金(東京)で計算してみます。日勤8時間と夜勤13時間。夜勤は深夜時間帯(22時から05時)に休憩時間をとるとすると。

日勤8H×1,013円=8,104円

夜勤8H×1,013円+(6H×(1,013円×1.25))=15,701円

合計で1日23,805円ですね。月に737,955円で事業主社会保障費負担を大雑把に14%と考えると、841,247円が月の原価です。このほかに休憩時間の交代要員や有休消化、変形労働時間制での残業を踏まえると、もっと高くなるでしょう。ここに粗利を何%に設定するかで契約料金が決まってきます。

さらに考えなければならないのは、警備員の給与です。最低4名なので、31日分で737,955円を単純に4人で割ると、184,488円。変形労働時間制で177時間とした場合、最賃に毛が生えた程度です。もちろん、最賃が上がらなければ、給与は上がりません。警備業は外部委託サービスなので、契約料金と給与は連動しません。ほとんどの警備員が契約社員である原因の一つです。

複数の契約先を確保し、基準配置員数より下回る人員配置なら、各契約先への応援勤務で残業の形で稼げはします。しかし、契約料金が上限となってしまうので、最低賃金が上昇すれば、給与支給(原価)と契約金額(売上)のバランスが崩れてしまいます。赤字ですね。薄利の契約料金で、少ない人数で回していくのが、この常駐警備の現在の利益構造です。

そこで救世主は、機械警備との融合です。機械警備がスタートした時点で、人員配置ポストを一部機械に置き換えることで、人件費を削減する方法です。これまでは防犯センサーが反応したら、警備員が詰め所から確認に行くスタイルでした。センサーの信頼性は低く、誤報も多かったので決定打にはなりませんでしたが、昨今のセンサー技術、AIによる解析技術の発展で人員削減をしても差し支えないほどになりました。

1例として「誤検知を現段階で可能な限りなくしたセンサ」

警備員が出入り口で24時間立っていなくても大丈夫ですね。

このように、原価構成の中での人件費を、単価ではなく配置ポスト削減で圧縮することができるか否かが、今後の常駐警備の収益確保のカギになるでしょう。

 

 

 


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