警備業を開業しよう その7

さて、警備サービス区分の最後。4号警備について解説いたします。

警備業法では、「四 人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務」とあります。つまり身辺警護。英語でいうところの「ボディーガード」ですね。前述の1号警備、施設警備でも人に安心安全を提供しますが、あくまで施設内でのこと。4号警備はまさにどこにいようが、人に対して安全安心を提供することです。

有名でありつつ実は需要が限られており、全警備サービスのなかで最も占める割合が低いのが特徴です。家庭に事務所の機械を設置しても、24時間、ガードマンを見張ってもらう人は少ないからです。大臣や大臣経験者、国賓はSPが警護を担当します。よってサービスの提供先は民間の著名人、会社社長等となります。

警備員は警察官ではなく特に権限を持たないため、身辺警護はその実施に難しい問題を抱えています。例えば警備対象者が立ち寄る施設(トイレでも)事前に爆発物がないか点検したり、不審者の立ち入りがないように規制できません。海外の要人が庶民的な居酒屋で会食したりする場合がありますが、従業員から搬入業者、居合わせる(あるいはセッティングされた)お客さんは、全員が身辺チェック済みです。民間ではそうはいきません。また、車での移動についても信号で止まるし、渋滞にもはまります。そのような中では十分に警護できません。警備員全般に言えるのですが、攻撃型の護身用具(スタンガン、催涙スプレー)は使用できません。ですから身辺警護で使えるのは、警棒と防弾防刃チョッキ、警備員さん自身の格闘能力になります。

需要としては、ストーカー被害やその不安を感じている人。著名人とその子息が挙げられます。定期的に幼稚園から家庭へ子供を送迎するサービスもあります。これらは訓練された警備員を配置するため単価が高く、日常的に契約するのは一般人には難しいでしょう。某大手企業では社長に24時間同行する警備員を契約しています。資力の成せる業ですね。

話はそれますが、ダライラマ来日の際には政治的配慮から民間の警備会社が身辺警護を行っています。しかし、雑踏整理の名目でがっちり警察が実質上の警備を行っています。民間では限界があるのです。海外ではどうでしょう。海外ではポピュラーなサービスです。身代金ビジネスがあるぐらいなので、需要と供給があるということですね。退役軍人の再就職先に警備会社があるぐらいです。お金持ちのスケールも違うので、邸宅に複数の警備員を常駐させることも可能です。警備会社とは若干違いますが、民間軍事会社もあり紛争地域での移動、施設の警備に公的機関が武装警備員として雇っています。日本の治安が良い証拠です。

さて、身辺警護は需要のないマイナーな警備といえるのでしょうか。実は非常に将来性があるのです。前述の機械警備ですが昨今の高齢化社会に対応して、急病時にペンダント型の非常スイッチで警備会社に自動的に出動要請信号が発信できるサービスがあります。これが携帯、スマートフォンとGPS、データ通信網の普及で安価にどこに居ても緊急信号を発信し、発信者の位置を特定できるようになりました。施設に縛られない、人に対する警備であることから身辺警備に分類されています。このようなサービスを行う場合には、4号警備の認可をもつ警備会社でなければなりません。タクシー会社がその配車スキームを活かして、徘徊老人保護や個人の端末からの緊急信号を受信して急行するサービスを行っている例がありますが、これは4号警備の認可を受けて警備業者として行っているこのです。

移動体通信網の発達が、身辺警備の幅を広げたことになります。1から4号の警備サービスについて説明しましたが、タクシー会社の例にもあるように、警備業の世界に異業種が参入しています。同時に警備業者自身も異業種へ参入しています。これらの動向について、次項で説明していきましょう。

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