警備業を開業しよう その5 交通誘導警備

前項では1号警備「施設警備」について説明をいたしました。今回は2号警備「交通誘導警備」について説明いたします。交通誘導警備は「人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」と法で規定されています。ザックリいうと路上での人、車の出入りをあるところで誘導サービスのことです。

スーパー、パチンコ店等の駐車場で活躍する警備員さんの事ですね。深く追求すると、「駐車場内も施設内だから1号警備だろ」ってことになりますが、厳密な区分わけができていないのが現状なので、そこはスルーしましょう。

重要なのは、工事現場での交通誘導です。いわゆる「旗振り」等といわれる警備員さんですね。私はこの言い方が好きではありませんが。公共工事で公道を工事する際に、工事業者は警察に道路使用許可を申請します。その際に、交通の円滑を妨げない。歩行者、一般車両の安全を確保せよと指示が出されます。必然的に交通誘導警備員を配置して「安全対策やってますよ」でなければ申請が下りない。つまり、工事業者は交通誘導警備員を配置できなければ、受注した工事ができないことになります。工事がある限り交通誘導警備員の需要はなくならないのです。

交通誘導警備の人員は警備業全体の約半分を占めています。何かと社会的地位が低く見られがちなのは、前述のように土木分野と密接な関係があったからです。それは「日雇い」です。雨がふれば工事はストップして、交通誘導警備員も仕事がなくなります。公共工事の少ない夏季には仕事自体がありません。そんな不安定な所得環境から新規就労者が減り続け、高齢化が進んでしまい、警備員が確保できなくて工事が出来ない現場も発生する始末です。国土交通省の交通誘導警備に対する積算単価は上昇して、ショベルカーのオペレーターに迫る勢いですが、単価が上昇しても不安定な収入では就職したくないですよね。交通誘導警備会社も人員確保に躍起で、最近では正社員、月給制を導入する会社が増えれ来ています。

そもそも、前述の道路使用許可に「この区間に2名配置します」で申請をおこなえば、2名の交通誘導警備員を配置さえすれば工事が出来ます。それがどんな警備員であってもです。警備業者の中にも、法定教育後にろくな実務教育も行わず配置につかせる会社があります。結果、一般ドライバーから「なにやってんだこの人」的な交通誘導警備員のイメージが定着してしまうのです。極論、配置さえ達成できれば工事業者から相場の料金が請求できてしまします。日雇いなので社会保険以外の福利厚生を省き、人件費のロスのない経営を行う警備会社が少なくありません。例えば工期3か月の契約をした場合、交通誘導警備員の配置日数が工期の70%だった場合、月給制では残り30%分の収益を確保するか、仕事がなくとも給与の支払いをしなくてはなりません。日雇いならば「明日は仕事なしね」で済んでしますのです。そんな職業にすすんで就職する人がどれだけいるのでしょうか。現在の交通誘導警備員の不足は、業界自体が過去のツケを支払っているにすぎません。

交通誘導警備はだれでもできるイメージがありますが、そうではありません。現場の交通量や工事車両の出入り、道路等の環境条件で誘導方法が変わってきます。時間があれば入念な打ち合わせができますが、一日に数か所の小規模工事を行う場合、現地についてから状況を把握して適切な手段で交通誘導を行わなければなりません。加えて歩行者保護などはサービスマン的な要素が含まれ、大手の交通誘導警備会社ではマナー、接遇教育もおこないます。彼らもまた職人なのです。

人口減少のなかでただでさえ人で不足なので、今後の交通誘導警備員の確保は、正社員雇用、月給制、高年収、高福利がなけらばなりません。地域別に交通誘導警備員の単価は違いますが、30名位でないとペイできないでしょう。それくらいの人員が確保できる魅力的な警備会社をつくる気概なしでは、2号警備会社の経営は難しいでしょう。人手不足でも「正当なサービスに正当な対価」「競争原理」の原則は普遍なのです。

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