警備業を開業しよう その3 警備業者としてのリスク

今回は警備業開業に関するリスクを説明していきましょう。

警備業は警備業法によって規制されている認可事業で、監督官庁が警察になります。銃砲等、風俗、古物商と同じく担当は生活安全課になります。警備業黎明期にあって、反社勢力が警備会社を名乗り、制服で対抗勢力ともみ合ったり、警備先での盗難が相次いだりと、おおよそ「安心安全」からほど遠い警備会社が乱立していた時代がありました。これを是正するために許可制から認可制に変更され、警備員に対する法定教育も厳しく長時間になりました。もちろん、本当に教育しているかどうかのチェックを、生活安全課が定期的に立入検査を行います。おおむね3年に1回の検査があります。それだけ厳しい目を向けられている業種なのです。

ではリスクを各項目毎に挙げていきましょう。

1、人的リスク

警備員として業務につかせる以前に、欠格事由に抵触していないかの確認と、人物評価が重要になります。多額の借金やギャンブル好き。お金にルーズ等は要注意です。某大手警備会社の警備員が、警備契約先で窃盗を行ったのは記憶に新しいですが、中小の警備会社であれば倒産です。個人の問題でも、会社としての責任が「警備会社」であるがために、一般の会社よりも大きく問われます。それは「安心と安全」を提供しているからです。フグ料理店でフグの毒にあたるのと同じくらいのインパクトです。雇い入れた後の警備員の教育管理も徹底しましょう。

2、法務リスク

警備員には警備業法で定められた法定教育が必要です。簡単に説明すると、雇い入れ時の「新任教育」と継続雇用中の「現任教育」に分かれます。「新任教育」は20時間。「現任教育」は年間10時間です。保有資格や経験年数で免除規定がありますが、細かいので省きます。教育すべき項目も定められており、前述の検査で最も厳しいチェックの入るところです。ちゃんと教育しているか。教育せずに帳票類だけ整備していないか。検査ではあらゆる方面から確認されるので、法定教育を行わずに警備員として業務につかせたら、必ず発見されて「教育懈怠」「文書改竄」で免許取り消し待ったなしです。5年間は警備業ができなくなり、刑罰もありますので刑務所行きもありえます。

この法定教育をきちんと行う責務を負うのが「警備員指導教育責任者」です。万が一、あなたが警備業者として初めてこの資格者を雇う、またはパートナーに選ぶときには、関連法規遵守を貫ける人物がいいでしょう。あなたが警備業者として、オーナーとして、社長として懸命に営業と経営を行っていても、警備業法をおろそかにする資格者のために、すべてを失いかねません。資格者と密接に連携しましょう。

3、社会的リスク

 明石花火大会歩道橋事故をご存じでしょうか。記憶の方もいらっしゃるかもしれないですね。2001年に開催された兵庫県明石市の花火大会で、帰る観客を制御誘導できなくなり、駅前の陸橋で群衆雪崩が発生。死者11名重軽傷者247名をだす大惨事となった事件です。大会規模が15~20万人に対して7万人規模の警備計画で臨んで、結果がこれ。刑事訴追までうけて警備責任者は有罪判決。警備会社は多額の賠償金を支払い、社名を変えて存続するが事実上の倒産ですね。

これは大規模警備となればネームバリューの上り収益も見込めるため、警備計画がおろそかになった例です。結果責任であるかのように見え、警察の警備要員配置もまずかったので、警備会社のせいではないようにみられますが、事後の責任逃れの虚偽説明リスクコントロールがダメダメでした。これはすべての会社、業種に言えますね。

これは1例ですが、警備業は「一歩間違えば死人がでる」ことに対してサービスを行うことです。大手警備会社では警報を受信した契約先に急行した警備員が、犯人に殺される事案も発生しています。交通誘導警備では、警備員の誤誘導により道路横断中の親子が死傷し、有罪の判決が出ています。警備員の教育監督はもとより、警備業者になろうとするなら、このようなリスクを認識しなければすぐさま倒産するでしょう。

 

 

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